2019年04月

こんばんは、ぺんたです。ただの自分語りなのに後編まで見ていただいている皆さまありがとうございます。

前編で1回戦(のあと)までのことを書きましたので、2回戦からのことをこちらでは書いていこうと思います。また長いですごめんなさい。


2回戦 vs二角形さん 忍傘(古) vs 枢爪(笛)

うーん、やっぱりクルルいますかぁ......
初めてお名前お聞きする方だったので実力不明なこと、全く環境を知らない地域からの出場なので関東では知られていない秘策がありはしないかということなどなど少し不安はありました。

...ただ、枢爪対面は有利なはず(ぺんた調べ)なので、ここは自分を信じて笛BANで勝負。

お相手は忍傘返し。3-1オーラ受けしていると機構壊れちゃうので傘が偉そうですね。対面はゆらりびも避けられない可能性のある組ですが、傘開け型は1離脱で攻撃できる(+赤機巧を置ける)のでアヤが少ない後ろの方がいいと判断しました。

こちらの先攻1宿しにお相手は呼び声スタート...風雷撃量産か天雷ですかね。先攻3Tはふりまわしケアによるオーラの甘えにつけ込んで、みかはらりからしこねこがライフに...どれーんでびる...それ対応ついてましたねぇ、はい。
返しにはらりでできたダストでもじゅるー貼っていんだすとりあ使用、えれきてる埋め。さらにあくせらー呼び声で雷2倍、天雷ですね。...ん?えれきてるですか。

もじゅるーでAP湧きまくりとはいえ、前のターンでオーラガラ空きにされた相手は《纏い》をしていただけだったのでOK、設置ケアで前進せず間合5で止まっていたため結果的には中空ロックが出来た状態。4Tの再構成でフレアを作りまた3/1を叩き込んでいく。

テンポが取れることが大事なので鋼糸が当たる場面ではアグロ再構成でオーラを剥ぎながらはらりの1フレアを用意してバシバシ殴りつける。

後攻3Tもじゅるーのおかげで2巡目はもじゅるーがなく、もじゅくるるーんでしこねこ躱しながらかさまわし落とすみたいな最悪の事態がないのは救い。
さらに2巡目お相手はくるるーんが沈んだようです、えれきてるも腐るし相当苦しそう。

そのまま押し切って最後はみかはらりしこねこくるりしこねこでリーサルです。天雷のリーサルラインライフ3には余裕をもって勝ち切れました。

これで2勝、古傘選手権かと思いきや普通に忍傘しか返ってこないのなんでや......まぁそろそろ古傘返ってくるでしょう!




3回戦 vs あうるさん 忍傘 (古)vs 薙扇(刀)


ってなんで忍傘やねんーーー!!!!


あうるさんは前日のくりすます会で当たっていて全く同じ3柱でぶつかっていたお相手。こんなことってあるんですね。
確かその時は古傘vs薙扇で勝ったというのもあって、薙扇返していいのではー?と軽率に返してしまいました。


ぼく「クリンチすれば勝てるやろw」
お相手「クリンチすれば勝てるやろwって舐めてきたら絶対潰そうと思って」(感想戦コメントより)


...まぁまずいことになってそうなのは想像つきますよね。


決闘では詩舞さえあればゆらりび当たらないというスタンスで薄いオーラのまま積極的にぼかすか殴られて、防御面では音無でライフ1点凌いで返しに無音壁でしゃがみながら音無再起など鉄壁の防御を見せられ、ちょうど梳流しの分ほどライフ差がついてしまいます。これでは完全に劣勢。
分身が刺さる場面たくさんあったな...構築ミス、やらかし何回目だ。

クリンチ構築はゆらりびとつきさし以外の打点がやや不足気味なので、たぐりよせ回避されるだけでライフが取れない。

ライフ5対3、相手はオーラ2の場面でトップ鋼糸を振ると相手は小考。
オーラ受けしてたぐりよせには八相石突、ふくみばりには衝音晶でいいのでは?と自分は思っていたんですが、ここでライフ受け。
「詩舞が落ちていて誘導+たぐりよせorひきもぐでゆらりびが受からないから」とのこと、僕より賢いですね(誘導握りこんでなかったし、気づいてなかった恥ずかしい)

しかしこれでライフ差がイーブンになりさらに1点通して2-3、ついにライフ差の逆転には成功します。しかしこれはライフ差のみの話。
こちらは再構成なしには音無や久遠の上からのあと2点があまりに険しい状態で、かつ1度でも再構成をすると無窮で対応落として梳久遠でリーサルを取られる可能性があるため、久遠があった場合ほぼ負けでしょう。

...が、ライフリードを取ったままこちらのターン中に35分が経ってしまったため、お相手はライフ差を返しのターン中に取り返す必要から素打ちの久遠を吐かざるを得なくなってしまいました。延長ターンはライフ2-2で終了。

判定は、(久遠がなくなったことで)延長ターンの返しのターンにいかなる引きでもリーサルもしくは焦燥勝ちに追い込めることから、こちらの判定勝ちになりました。

さすがに釈然としない...久遠あるので完全に負け戦だったので罪悪感すら覚えるマッチでした。途中お相手の勘違いによる3AP損あってこれですからね。完全に負け。構築からプレイングまで反省の多い勝負でした。こんな形での決着になってしまいごめんなさい。今度当たったらもっとちゃんと決着つけられるようにします。



4回戦 vs aRashiさん  忍傘(古) vs 戦書(古)

後味の良し悪しを除いて考えれば結果的には3連勝で迎え、「なんで私が全勝卓に?」と四○学院の広告みたいな心境でドキドキしている中アナウンスがかかりました。

「4回戦フィーチャー卓はぺんたさんと――」

ええええええええええええ!!!!!
緊張どころの騒ぎではないですが...
僕ぶんぶんとかも行ったことないので正真正銘の初配信なんですよ...ふぇぇ。

カメラがどこにあるとか卓について軽く説明を受けた後、対戦がはじまります。

お相手は古戦書。これいるんですね......もっと勉強しておけばよかった。
古戦は古忍で戦うと結晶が面倒。逆に古書は傘Xで対面するのが嫌な感じします。戦書は古Xなら火力で行けるのでは??そろそろ古傘選手権はじまるでしょう??


ふたを開けてみれば、はい、忍傘vs戦書です。全くわからないマッチになってしまいました。


ユニコーンスリーブお互い同じやつじゃないですかーなんて軽く談笑も交えながら眼前構築やっていたのですが、脳内はわりとパニックです。15点構築にみかはらりでは追い付けないでしょう。クリンチしてもゆらりびには煽動がありますし。

でも後ろでダスト作ってさらに手裏剣受け続けるよりは前で戦いましょう。つきさしとゆらりび、煽動を落とす鳶影影菱コンビは必須です。余った枠につきさしケア1離脱を咎める熊介や引用メタの分身を入れて完成。

桜花決闘はこちらの先攻。1巡目に分身3/1を当てたかったですが、後攻1Tの動きが詭弁の含みがあったので神算詭弁で再構成タイミングがずれて不発になるのをケアしてしこみばりは表で振ります。

後攻3Tに手裏剣、これが立論鋼糸の存在からライフに入るの痛いですね。

2巡目はしばらく傘を閉じていました。伏せが揃って熊圧も出てから傘開け。これは影菱や鋼糸を当ててあとライフを数点取らないといけないと思っていたからです。

お相手がここで判証を開きます。ライフは8 vs 8。判証×2はしんどいため出来れば3ターン以内に仕留めたいところです。
ゲームを加速させる必要が出てきたのでアグロ再構成影菱で煽動を落とします。トップはつきさし。とてもおいしい。これであと5点。

次のターンは誘導と影菱を引きます。ここで次の確定ドローがふりたぐとしこふくであるとわかります。勝機はここだと判断し鋼糸誘導と集中1を次のターンに持ち越します。

そして判証ラストターン。こちらは予定通り鋼糸たぐりよせふくみばり誘導が揃いフルリソース。ずっと相手は神算壮語ループを続けていて再構成が入っていないため煽動は影菱で伏せられたまま
ライフ5である以上鋼糸たぐりよせふくみばりのどれがオーラに入るので誘導から確定でゆらりびが入ります......鳶影さえなければね。

相手のフレアはターン開始時にすでに4つあるので「切札は皆式理解ですよね??15点ルートですよね??」のお願いぶっぱ。15点ルート偽装なんてされてたら知りません。

このお祈りゆらりびが通って最後の結晶が発動。無事判証死させることに成功しました。
動画見てもらったらわかるんですが、鋼糸振ったタイミングとかでお相手は伏せ札確認してるんですよね、鳶影匂わせないでくださいよ、本当に怖かったんですよ......(泣)




4回戦後、くりすます会の面々など何人かの方が結果を聞きにきて僕の勝利を喜んでくれました。それがまた嬉しい...。
気にかけてくれていたのかわかりませんが地球を代表していそうなミコトさんまで来てくれました。すき。

そしてその時彼から一言忠告を頂いたのでした。


「関東勢キラーみたいな人がいるんで気をつけてください、名前はーー」



5回戦 vsキリカさん 古傘(忍) vs 笛塵(爪)

対戦カードが発表された瞬間思わず身構えました。
やばい相手と当たってしまったという感覚がどんどん体中に広がっていきます。しかし恐れている場合ではありません。僕も関東勢の一員としてここで敵討ちをしなければならないのです。

双掌繚乱では笛爪塵が渡されます。いよいよ現れたな魔王ウツロアナザー。

爪塵は古傘では見れないと指摘を受け、実際に1度やったのですが確かに厳しそうだったため爪塵は返しにくいです。また笛爪は固いので決死からの一撃に依存しすぎる古Xは苦しい気がします。
壁や虚偽がめちゃくちゃ刺さってますが、やむを得ず笛塵返しを選択。

1巡目往路に間合5通行料1点、2巡目にわためざ装置が開いて1点、ここまではまぁ必要経費です。

陽の音展開中などのしゃがみたいターンに癇癪置いてエンドするなど悪くない展開に見えましたが、結果的にはカードを裏で使い相手のフレアが溜まる前にフレア7溜めるのが必要だったかもしれません。

切札常世ノ月とかやろと言ってひきもぐ入れなかったのが痛い裏目で一度も対応不可の奏は飛んで来ないのに全て顔面にあたり、ライフ差がついてしまいます。

ダストはほぼなくなり奏が振りにくくなりましたが、この時点でライフ4-5。
相手は未使用切札2枚と通常札1枚が未確定。
とはいえ切札は久遠と虚偽が濃厚、久遠構えられたら対応久遠→対応不可奏の流れが出来てさすがに決死踏みづらくなります。

そこでアグロ再構成を決行。決死から無理やり削りに行こうとするもトップが悪くしゃがまされます。
返しのターンの相手もしゃがみ。フレア4なのでもうフレア吐かせないと猶予がありません。
一旦虚偽吐かせてフレア減らしましょう。

不完全浦波嵐!
これに対応虚偽、そうですよね。
これでターン返して、あと数ターン虚偽が切れるまで何とか生き残ってその間に手札を整えて...


うそ、なんで今、タイムアップなんですか.......。
虚偽下で2点取れないと負けなんですか...??
相手の手札2枚のうち片方はたぶん壁ですよね??
こちら後退月影しか有効打ないんですよ...?

仕方ありません。
もうあのカードのケアをしている余裕はないのです。残り1枚の通常札が円月と信じるしか...

月影落!


手札は......??


詩舞ですよね!
そりゃそうですよね...知ってました、対戦感謝。
ジャッジに許可を得て返しのターンを待たずに投了しました。

悔しいです...しかし相手のプレイングがお上手でした...構築ミスもありましたしこれはこっちの研究不足です...笛爪塵なんて環境にいそうなのに対策しなかった僕が悪い。何が悪いと言われたらそれに尽きてしまいそうです。悔しい。





そんなわけで惜しくも決勝を逃して4-1で終了でした。

正直ここまで来られると思っていなかったので、個々の勝負で負けたこと自体は悔しいけれど天音杯全体の結果としては割と満足しています。
惜しむらくは、優勝者が扇入り3柱だったのに僕はそれができなかったことでしょうか。今度はトコヨちゃん連れていきたいですね。

ずいぶん長くなりましたが、最後に運営してくれたスタッフの皆さま、対戦してくれた皆さま、応援してくれた皆さま、そしてこんな駄文に付き合ってくれた皆さますべてに感謝をいたします。ありがとうございました!

こんにちは、間合1に飛び込んでターン終了すると燃料1つでシルチャが飛んできてゲームが崩壊するので気を付けましょう、ぺんたです。


先日3/30にあるイベントに参加してきました。
3/30......そう、ふるよに勢なら皆さんご存知の天音杯です。
予選(これについても後日レポートをあげます)を無事突破出来て本戦の方に参加できることになったので、この全国やばいミコト集会に招待されたわけですね。
見渡すとよく知った関東の強豪がは当然のように揃っていて、見知らぬ人を見かけても名札を見るとひぇっ...となることが多々あり、本当にすごいところにいるんですよね。この場にいられる喜びとこの場にいていいのかという戸惑いあるいはこの場にいることの驚きを感じていました。

さて、今回この舞台で握ったのは古忍傘です。
まずはその経緯から話していくことにしましょう。


~3柱決定までの経緯~

3柱原型:扇忍爪
リテラシーがそれほどなくかつ三拾一捨をやったことがないため、天音杯に向けてメガミを早めに決め打ちしてメガミを限定してリテラシーを上げつつ三一の練度を高める必要がありました。

この目的のために当時唯一タロットを勝ち取っていた扇忍をベースに扇忍Xを探します。
刀か爪だと思ったところで、刀扇がわからないこと、ビート慣れしていないため(私はトコヨ様の宗教の人なので)刀忍も怪しいこと、シーズン2の笛爪の経験が扇爪に応用できそうなことから、X=爪をチョイスしました。

また、根本的な方針として、塵XYが強いことはわかっていましたが、今からやるには塵Xのような研究勝負は分が悪いこと、そもそも塵というメガミがあまり好きでないこと(婉曲表現)から、塵入り3柱だけは初めから切り捨てていました。

このあと3柱はいろいろ変わりますがリテラシーをあげるメガミを限定するという方針に従い、以降も1メガミずつしか交換していません。


天音杯予選:扇忍 (通常選択)
練度を高める対象を減らしたいので三一の組み合わせから選出。
シーズン3前半に流行ったRGBトリオのうち、刀忍、刀戦、忍薙は対処できそうなのが売りだと(当時は)思っていました。
実際に主張通り、刀戦と忍薙を破っての予選突破を決めることができました。


探索期:扇忍
予選後、忍爪の弱み(当時は今より下手だったので強みより弱みがより目立ちました)、塵への解答のなさから爪を変更しようとします。
かさまわしとひきもぐをもつ傘を入れると対塵抑止力になるかと期待していたし、またシーズン2で忍傘を多少触った経験が生きることもあって、傘が選ばれました。


転換期:忍傘
扇傘を使いこなすのが難しいこと、扇の弱点を言語化できたこと、扇忍の脆弱性に気づいたこと。この3つの問題に共通する扇がついに抜けました。これは宗教勢にあるまじき行為、火あぶりにされても文句言えません。許してトコヨちゃん......。

そんな時に*1くりすます会で刀傘が強いと耳にして閃きます。刀忍と忍傘は強いデッキなので刀傘ができるなら、刀忍傘でいいのではないか、と。
この3柱、ビート不慣れな僕が握っても不思議や不思議、デッキパワーのせいでそれなりに強いのです。
僕もこの3柱で決定だと確信を持っていました。


最終決定:忍傘
刀忍傘で自信を持って臨んだ3月上旬のくりすます会非公認大会、ここで刀傘で薙爪に惨敗します。
この経験からしばらく刀傘で薙が受けづらいのでは?と疑問を抱いて悩む時期に突入しました。
そんな時に天音杯予選の古傘の動画をTwitterで視聴したのです。古傘で十分やれるじゃないかと気付かされた瞬間でした。
刀→古の変更は銃鎚塵あたりのメガミが受けにくくなるため一長一短ですが、元々ビートよりコントロールの人間なのでクリンチしやすい古傘のが自分に合っていたのかもしれないですね。

また、刀忍傘のときからボトムっぽいと思って刀傘(古傘)はそれなりに練習したので、実は刀忍(古忍)が1番穴になっていて返ってくるのが怖かったです。

そういった背景もあってこの変更は「ユリオボは返せないという先入観を強く与えるには刀忍より古忍だろう」という心理的な面も利用させてもらっていました。


※1:イエサブ秋葉原でここ半年ほど毎週行われてきた非公式フリプ会。参加者は強豪も多く今回の本戦出場者も数多く輩出している。企画運営しているさんたさんには頭が上がらない。ありがとうございます。




そんな感じで最後の方は半ばごまかしも交えて3柱が決定しました。
3柱チェックしてシートを出したら最後、もう引き返せません。宗教を捨てての決闘がはじまります。
その決闘のレポートをここから書いていきましょう。




~天音杯本戦~

1回戦 vsまやんさん  忍傘(古) vs 古傘(忍)
さすが全国大会、初戦からお名前を存じ上げている方との対戦です。
......って、いきなりの完全ミラー???
というかこのテーブル6人中3人が古忍傘なんだが?????

完ミラーは若干じゃんけんぽさあるので迷いますが、裏目が一番ない古傘を返却。忍傘との比較ですが、前日の大規模くりすます会で古傘vs忍傘は忍傘が勝ったので忍傘側がやれるのではと思っていました(くりすます会ありがとう...!)

傘開けクリンチするとつきさし合戦になってつきさし対応不完全浦波嵐で軽率に†対戦感謝案件†になりそうなので、みかはらり構築にします。


決闘開始。初手1宿しから前に出てみかはらりを含む3/1をどんどん叩き込みます。相手はユリナアナザーなので割とライフに受けてくれます。
足捌きが見えて少しめんどくさいなという気にはなりましたが、前に出て2/1打たれたらそこでライフ受けから離脱みかはらり打てば1点取り返せるのでライフ差への影響はそこまでです。鋼糸が一方的にオーラに当たることもあって、相手フレアもユリナアナザーとしてはそこまで溜まっている方ではなかった記憶があります。

決死を踏んでからは後ろへの退避を優先。ユリナはデザイン的に柄打ち→一閃→月影と間合が近い方から攻撃する方が強いので間合5以遠では足捌きを握りこむ必要もあって大変なはず。
はらりゆきに不完全浦波嵐を吐かせて余ったリソースでオーラ回復してしまえば安泰。そのまま逃げきって勝利。まずは1勝です。



余談 〜お手洗いの一幕〜

1回戦のあと僕はお手洗いに席を立ちました。対戦中に行きたくなって集中力を削がれたくないためというのはもちろんですが、会場の張り詰めた空気から離れて1度リフレッシュすることができるので、思考の整理や緊張をほぐすために僕は※2研修会時代もこの手の離席はよくしていました。

お手洗いに向かうと少し待ち列ができていたので僕はその後ろに並びました。
列に並んでいるとよく見知った方が入ってきました。僕は「お疲れ様です」と声をかけました。そして「どうでしたか?」と続けようとしたところで彼の表情を見て口を噤んだのでした。

彼がここまでどれだけこの日の勝利に執着してきたのか。
僕の知る限りでも彼の努力は凄まじく、見えないところでも相当努力していただろうと考えると、彼の表情を見た上で何と言えばよいのか僕には全くわからず、ただ沈黙を貫くしかありませんでした。

そして自分のことについて2つの感情を抱きました。
1つは後悔。僕はもしも今の1回戦で負けていたとしたらこのような表情をできるだろうか、それほど努力して来られただろうか、もっとやれることがあったのではないかということ。
もう1つは恐れ。この会場にはここまで執念をもってやって来ている人がきっと何人もいて、また、そういった人を普通に負かすような人も何人もいるのだろうということ。

無言でお手洗いを後にして、リフレッシュどころかかえって緊張感が増した気がしました。
後悔はしてもしょうがないのです、今やれることをやって、勝負に集中し、目の前の相手に食い下がって倒すしかないのです。

今になって思えば、ここでスイッチが入っていたのかもしれません。ここはフリプでも普段の大会でもないんだという実感が遅ればせながら1回戦後になってようやくわいてきたようです。

ありがとうございますというのも変ですが、この日あそこまで勝ち進めたのはこの出来事があったからのような気がしています。


※2:ざっくりいうと将棋のプロ"の卵"養成機関。ぴんと来ない人に研修会について詳しく書かれたおすすめの本があるので読んでください。「りゅうおうのおしごと」って言うんですけど。



さて、なんか似合いもしない真面目な余談を書いてしまって恥ずかしい気分ではありますが、前編はここらで締めようと思います。
第2戦以降は後編の方に書きますのでよろしければ見て行ってください。
それではまた後編でお会いしましょう。

↑このページのトップヘ